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    • 2023.12.07 Thursday
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    【噂の二人】(1961年)

    オードリー・ヘプバーンの名前だけにつられて昔観たのですが、なんつー胸くそ悪い話なんだ...とドヨ〜ンとしながらDVDを棚の奥の方へしまいこんだ作品でした^^;
    ちょっとこれをもう一度チェックしたい理由ができたので観てみることにしましたー。


    ◆噂の二人(The Children's Hour)1961年 監督:ウィリアム・ワイラー
    親友同士のカレン(オードリー・ヘプバーン)とマーサ(シャーリー・マクレーン)は、共同で女学校を経営していた。経営が軌道に乗り始めたある日、カレンはフィアンセのジョー(ジェームズ・ガーナー)とついに結婚を決意。しかしマーサはジョーへの嫉妬から祝福できずにいた。そんな関係を偶然知った問題児メアリーが、二人が同性愛関係にあるとの噂を流し・・・

    やはりとんでもなく気分の悪いお話です。
    一応は同性愛ということが問題になっているような話の流れですが、描いているのは人間の恐ろしさ・タイムレスな心理ドラマです。一人の少女が叱られた腹いせに発した嘘が原因で、3人の人間の人生が崩壊してしまうという物語。

    実際に子供達が見聞きしたのはちょっとした慰めの頬へのキスや、マーサの叔母・モーター先生(ミリアム・ホプキンス)による姪への不用意な小言。普段から行動に問題のある女子生徒のメアリーが、この閉塞的な田舎町で権力を握っていると思われる祖母(フェイ・ベインター)にそれらを大袈裟にして言いつけたというのが問題の発端です。「キス」 とモーター先生が発した「不自然・異常」や「独占欲」というキーワードを強調したわけです。元々は "嘘" と言えるほどの創作はしていませんが、追求されれば更に大袈裟に上塗りをするのでやはり彼女の嘘が原因となってきます。

    この話を聞いた祖母が鵜呑みにするものかと言う所に疑問が湧くかもしれません。彼女がいかにも孫を甘やかしているダメ祖母であれば彼女を集中的に責めたい所ですが、実際はそういうわけではなく、学校で厳しく躾けてくれることに賛同・感謝しているまともな大人なんですよ。それがなぜこれに限って鵜呑みにしたのか。
    彼女が言うには「この年齢の子供が思いつける内容ではない」とのこと。確かにそう思います。実際、ゼロから創作しているわけではありませんし。そこで彼女は学校へ出向き、自分の耳でモーター先生の証言(実際にはモーター先生は単なる愚痴を垂れ流しただけ)を聞き、孫の話と照らし合わせた結果、解釈を誤ってしまったわけです。そして子供たちへの影響を考え他の親たちに話を広め、全寮制学校から生徒を一人残らず引き上げさせる事態に発展となりました。そして、2人の若い女性教師とカレンのフィアンセの若い医師(ジェイムズ・ガーナー)の人生が狂ってしまったわけです。このお祖母さんが決して悪い人間ではないだけに、もどかしくて仕方ないですよね。
    (教師がゲイではいけないのかという点については、この映画では主な論点にはなっていません。)

    当然二人は反論しますが、結局崩れ落ちていくばかりの二人の行く末は物語として無理がなく、現実に起こりえそうな恐ろしく悲しい展開がリアルでイヤぁ〜な感じになります。
    インターネットである事無い事なんでもあっという間に広がる時代に住む私たちには、'61年当時よりも更に容易に想像/理解できる話かもしれませんね。深い考えもなく簡単に他人を批判し、本当かどうかを確かめることなく広げてしまう。場合によっては話し手がウケたいがために話を盛ったりして、訳の解らない風評被害をもたらしたり。他人の人生がどうなろうと知ったこっちゃない、というわけでしょうか。人と関わって暮らしている以上、いつ自分が人生を壊される側になってもおかしくないです。発言は慎重に。(自戒)

    ヘプバーンと並ぶとどうしてもちょっと地味でイケてない女に見えてしまうマクレーンでしたが、露に見せる怒りやお腹に抱えた一物を含む微妙な感情を繊細に演じる彼女には魅了されずにいられませんね。
    また、ヘプバーンの方は演技の上ではマクレーンには少し劣る感じもありましたが、最後のシーンにおけるまっすぐ前を見据える力強い瞳と凛とした姿勢は、とても立派で素敵に見えました。
    カレンのティルフォード夫人(メアリの祖母)に対する誇り高い対応もアッパレでしたね。 ヘタレな私ならお言葉に甘えて取れるだけ取ってやれ、とか考えちゃうところかも^^; 彼女たちの場合は "許す/許される" 文化(?)ならではの対応なのかもしれませんが。


    さて、今回私がこの映画をもう一度観てみようと思ったきっかけは、先日観た「鳥」で主人公女優よりもよっぽど真に迫った演技を見せていた、子役のヴェロニカ・カートライト。彼女がこの映画にも出ていたと知り、どんなんだったかチェックしようと思ったわけです。調べるとこちらは「鳥」の2年前の出演でした。性悪メアリーに脅される気の弱い少女ロザリー役で、せきを切ったように泣き叫ぶ様は「鳥」での演技を彷彿とさせています。これを見て「鳥」に起用したのかもしれないですね。子役特有の大振りな過剰演技が鼻につく部分も無いわけではないですが、ちょっと複雑な想いを抱える少女を見事に演じていますよね^^

    しかしこの映画におけるスゴい子役と言えば、やはり性悪少女メアリーを演じたカレン・バルキンがかなり印象的です。イヂワル女を演じるために生まれてきたかのようなあの顔つき!!あの目つき・表情は、お人形のような可愛らしい少女にはとてもできないでしょう。彼女がいかに憎たらしく見えるかも重要な要素ですから、カレン嬢の起用は素晴らしく成功していると思います。もちろん演出と演技の賜物でもあるでしょうから、見た目ばから褒めていてはいけないでしょうけども。

    内容は同性愛を扱っていますが性的な表現はありませんから、そういったものが苦手な方も安心してディープな物語を楽しめるかと思います。しかし、力強い結末ではありますが、もしかしたら救われない結末にも思えるかもしれません。ヘプバーンの名前だけに惹かれて観ると痛い目に遭う(^^;)映画の筆頭かもしれないくらい、一般的にウケるお気軽映画の趣では全くありませんので、ご注意ください。
    個人的には、ハリウッド的おとぎ話なハッピーエンドにされず、厳しい現実がリアルに描かれている所が結構好きでした。audrey
























    【マイ・フェア・レディ】(1964年)

    コリン・ジョイス氏の『「イギリス社会」入門ー日本人に伝えたい本当の英国』に、最近では発音の違いから階級を見分けることは難しいので「マイ・フェア・レディ」を今演ったら違った内容になるだろう、なんて話が出てきたのを読み、久しぶりに観たくなりました。


    ◆マイ・フェア・レディ(My Fair Lady)1964年
    監督:ジョージ・キューカー、原作:ジョージ・バーナード・ショウ
    発音を聞けば育ちから出身地まで言い当てることができる音声学の天才ヒギンズ教授(レックス・ハリソン)は、訛りも作法も酷い花売り娘イライザ(オードリー・ヘプバーン)を猛特訓して半年後に社交界へ出すことができるかどうかを、自宅に滞在する友人と賭けをすることに。そしてついに厳しい指導を経てイライザは、上流階級の貴婦人として社交界デビューするが・・・

    先にヒットしていた舞台版では主役がジュリー・アンドリュースだったけれど、映画版ではより集客が見込めるオードリー・ヘプバーンに変更されて制作されたミュージカルです。
    映画版も名作ではあるけれど、歌が吹き替えだったためにオードリーが主演女優賞にノミネートすらされなかったことでも有名ですね。

    でも彼女の演技もとても素晴らしいと思います。自分の歌がどうしても採用されず悔しい思いをしながらの熱演は、役者魂をこれでもかと注ぎ込んだかのようでとても迫力を感じます^^
    私はこれを初めて観た時にはストーリーなど予備知識が全くない状態だったので、始めに登場したオードリーのキャラには本当に度肝を抜かれました^^;"ドブネズミ" 仕様のオードリー=花売り女のイライザです。

    薄汚い見た目に思いっきり庶民な訛りと酷いダミ声!動きも当然乱暴で下品!
    音声学者のヒギンズ教授はそれを思いっきりけなし、残していったのはこんな気になるセリフ。
    「こんな女でも私の下でまともな発音と作法さえ学べば、半年で社交界へ出せる。花屋に売り子として就職だってできる。」
    花屋の売り子。彼女にとってはまさに憧れ。ヒギンズの言葉が頭から離れない彼女は、正しい発音を習おうと教授宅へ押し掛けて・・・という話です。

    で、このヒギンズ教授というのが、横柄で失礼でとてもヤな奴なんですよねー。
    若い頃に観た時にはやはり、ピカリング大佐の紳士振りとの対比もあって、ヒギンズなんか憎たらしいクソオヤジだ!なんて思っていたのですが、観ているうちに私はこの人がわりと好きになっていきました^^ (実際に自分が関わるとなったらどうだかわかりませんが)

    (ピカリングは花売り娘を淑女のように扱うが)「自分は淑女を花売り娘のように扱う。大切なのは相手によって態度を変えないことだ。」
    まぁ、淑女に失礼な態度を取る必要もないけれど、ヒギンズの言ってることはなるほどです^^
    誰に対しても紳士でいる人も素敵だけど、こんな物怖じもせず "お互い同じ人間同士" という考え方をする人も私には同じように素敵に思えるし、同じように好きだったりします。
    しかしヒギンズ語録はちょっとした男尊女卑に感じられる部分もあったりするんですよね。

    男は誠実で物事に公正、ほがらかで打ち解けやすいし、友情にあふれ善良でやさしい。
    それに対して女は理性がないし頭を使わない。髪は念入りにとかすくせに頭の中を整理しようとしない。
    男が花を贈らなかったら気を悪くし、男が何時間も黙っていたらバカにしてると怒る。
    なぜ女は男のようになれないんだ!

    うわぁ・・・ムッとしちゃいますねぇ。
    いきなり女は全員バカ呼ばわりですからねぇ。
    でも実はちょっと図星な感じもあったりして?もちろん女性全員は言いすぎですけど^^
    そういう訳で自分の生活に女が入り込むと平穏な人生が台無しになるから独身を通してるんだ、と言うヒギンズ。
    そこまで徹底してるなら大したモンですよねー。
    世の中、好きで結婚しておきながらも文句を言い合う夫婦も多いですもんねぇ。

    とは言っても、「男=善良で優しい」ってこともないでしょう?なんてことも言いたくなりますけどね。「ほがらかで打ち解けやすい」ってのも、60年代当時は知らないけど現代では当てはまらない人も多そうだし?
    うーん・・・なんとかヒギンズサイドに付きたいのですが、全力で味方するのが難しいのは私が女だから?^^;

    で、これはミュージカルですので突然歌いだしたりするわけで、上記のヒギンズの主張なんかも歌なんです。しかしこれが素晴らしいんですよ。しゃべりから歌へ、歌からしゃべりへの流れのスムーズなこと!いわゆるメロディアスな "歌" じゃないんですよね。ラップじゃないんですけど、リズムに合わせてしゃべってるみたいな^^ それが演説調が似合うヒギンズの主張にピッタリなんですよねー

    で、肝心のオードリーですが、小汚く品のない町娘から特訓を経て見事にレディに変身した姿が、もちろんホレボレする美しさです♪ アスコット競馬場のデビューのドレスも素敵ですが、個人的には大使館のパーティのドレス姿がお気に入りです^^
    歌は本人の歌唱でない部分が多いのですが、口パクでもあの身のこなしは彼女らしく可愛らしくて、「I Could Have Danced All Night」の最後のベッドに後ろ向きで膝を折り曲げて飛び乗るシーンなんか、とぉ〜ってもキュート!
    自分でもやってみれば一応出来るのですが(ベッドの高さが違う?)、私がやってもあんな風にピョコン!って可愛い感じにならないんですよねー=3

    他にも、ヒギンズもタジタジになるほど口の達者なイライザの父親、未熟なお坊ちゃんだけど優しくて紳士な青年フレディ、厳しさと優しさのある愛情たっぷりなヒギンズのママ、ヒギンズの元教え子の言語学者カーパシーなど、面白キャラや素敵キャラがいっぱいで、物語、名曲の数々ともに大好きな映画の一つです^^audrey
























    【パリで一緒に】(1963年)

    パロディ探しを楽しんでー
    ◆パリで一緒に(Paris-When It Sizzles)1963年
    監督:リチャード・クワイン 
    巴里祭直前のパリ。脚本家に雇われてエッフェル塔が見えるホテルの部屋へ向かったタイピストのガブリエル(オードリー・ヘプバーン)。彼女がそこで目にしたのは、ウォッカ を飲んでまどろんでいたアメリカ人脚本家のベンソン(ウィリアム・ホールデン)。締め切りは 2日後だというのに脚本はいまだ白紙。タイピストを迎えてようやく、タイトルだけは「エッフェル塔を盗んだ娘」と決まっている脚本を口述し始めるが・・・

    ヘプバーンとホールデンによる、ジュリアン・デュヴィヴィエの「アンリエットの巴里祭」(1954年)を下敷きにしたドタバタコメディ。脚本家(ホールデン)がタイピスト(ヘプバーン)からインスパイアされながら作っていく話が劇中劇となるという、少し変わったお話ですね。パロディが色々盛り込まれた遊び心満載の作品です。


    パリへ来て2年というガブリエルは、俳優と付き合い、脚本家のタイピストを務め映画の勉強をしつつ、人生を楽しむために暮らしているという女の子。この役のヘプバーンは、表情をくるくる変えつつハッピーな雰囲気を全身から発して本当に可愛らしく演じています。ガブリエルは自由を十分満喫している自分の感覚以上に自由奔放でいい加減なベンソンに驚き、彼の話を楽しみ、脚本にワクワクし、その登場人物を好きになったり、ベンソンにも魅力を感じたり・・その表情が全て愛らしくてたまりません。この時ホールデンはヘプバーンに夢中だったということですが、その気持ちが本当によく解りますよ。この当時彼女は34歳ですが、とてもそうは見えませんし。

    そのベンソンは、決して若いという見た目でも雰囲気でもありませんが、やはりカッコいい人ですし話す内容もとても面白いので、観ているとついつい惹かれてしまうんですよねー。その彼が話す内容ってのは、映画の勉強に興味のあるガブリエルのための脚本家のノウハウ的なもので、なかなか興味深いんです。話の組み立て方だったり、見せ方の技法だったり、「フランケンシュタイン」と「マイ・フェア・レディ」の共通点についてだったり・・・。ここで私はディゾルブという言葉を覚えました。今日までそんな言葉を使う機会なんか一度もありませんが。(笑)

    劇中劇に登場するヒロインの『トニー・カーティス似の』彼氏として、トニー・カーティスが出演していますが、彼も面白いですよねー。『滑稽なほど自己陶酔している男』などを絶妙な可笑しさで演じてらっしゃいます。プリンっとしたお尻が妙に可愛いところにも釘付けでした。あまりよく知りませんが二枚目系の俳優さんかな?と思うんですけど、ここでのカーティスはそんな存在ではありません。ベンソンは、ガブリエルが巴里祭を一緒に過ごす予定の彼をモデルにした登場人物を作り、脚本の中でコケにしちゃってます。そんな大人げないベンソンがまた可愛かったり。

    ストーリーとしては、作っていく話の書き直しを繰り返す分、あっちこっちしてまとまりは無いんですが、一応ベンソンの始めの説明通りの王道な(と思われる)組み立て方をしていってるからか、そんなに観にくくないし結構テンポも良いように感じるので、いつも楽しく観れています。ストーリーの面白さを重視してしまうタイプの方には少し退屈かもしれませんが、私的にはそこじゃないので全然問題なし^^
    マレーネ・ディートリッヒやメル・ファラーのカメオ出演も要注目です。
    「アンリエットの巴里祭」は未見ですが、これの元らしいのでいつか観てみたいなと思っています。audrey










    【シャレード】(1963年)

    危機が迫ってもオードリーはおしゃれでコミカル

    ◆シャレード(Charade)1963年
    監督:スタンリー・ドーネン
    スキー旅行先で離婚を決意した富豪の妻レジーナ(オードリー・ヘプバーン)。ところがパリの自宅へ戻ると家の中は空っぽ、そして夫の死を知らされる。葬儀には見知らぬ三人の男が現れ、呼び出された大使館では戦時中に夫が軍資金25万ドルを横領していた事を聞かされ、その金を返還するよう求められる。途方に暮れたレジーナはスキー場で知り合ったピーター(ケイリー・グラント)に助けを求めるが・・・

    ストーリーは一応サスペンス系なんですが、ヘプバーンなのでコミカルなやりとりも多々ありながらのロマンスもそこそこな比重を占めてます。


    舞台はヘプバーンも大好きと言っていたパリ。セーヌ川クルーズなどのパリの名所ロケもちょこちょこあり、観光ムービーとしても楽しめそうです。勿論ヘプバーンの衣裳はジバンシィ。命を狙われてるかもしれなくても、いつもスタイリッシュにキメてます。

    私がこの作品を初めて観たのはたぶん高校生の時。ジェームズ・コバーンウォルター・マッソージョージ・ケネディも、この映画で顔を覚えたような気がします。もしかしたらケイリー・グラントすらそうだったのかも。これだけの個性的な名優たちが揃って怪しさたっぷりにヘプバーンに付きまとうので、誰が敵で誰が味方なのかドキドキしながら観られました。

    ところで人が殺されたり、自らも危険な目に遭いながらも、ピーターと一緒にいる時にはすっかり忘れたかの様にはしゃぎ過ぎるレジーナ。個人的にはもちょっと緊迫した感じにしても良かったんじゃ?なんてことを思った時期もありましたが、これくらいのお気楽加減だったことが、意外とサスペンス部分との絶妙なバランスを生み出して何度も観たくなるような面白さとなってるのかもねーなんて最近は思ったりしてます。(大きな声では言えませんが、ヘプバーンの緊迫の演技が嫌いってことも関係あるかも。)

    ヘンリー・マンシーニによるスパイ映画チックなテーマ曲にのったオープニングのカラフルでオシャレなアニメーションも、いつ見ても引き込まれますよね。
    それとかなりどうでもいいことですが、フィルター付きのタバコが気に入らず、レジーナがフィルターをちぎって吸うのが衝撃的でした。audrey








    【麗しのサブリナ】(1954年)

    無邪気なオードリーと、軽めなホールデンが好き

    ◆麗しのサブリナ(Sabrina)1954年
    監督、脚本:ビリー・ワイルダー
    大富豪ララビー家のお抱え運転手フェアチャイルドの娘サブリナ(オードリー・ヘプバーン)は、当家の次男でプレイボーイのデヴィッド(ウィリアム・ホールデン)に夢中。かなわぬ恋に悩む娘を心配した父は、サブリナをパリの料理学校へ送る。2年後、エレガントに成長して帰国したサブリナに今度はデヴィッドが夢中になる。デヴィッドを仕事上都合のよい、財閥の娘と結婚させようと画策していた事業家の長男ライナス(ハンフリー・ボガート) は、2人を引き裂こうと企てるが・・・

    シンデレラ・ストーリーです。でも、サブリナは決して玉の輿に乗りたかったわけではないですよね。小さい頃からずっと近くに 居たデヴィッドに夢中だっただけ。
    とはいっても、やはり夢のある物語ですよねー。大好きです!

    なんといってもまだまだ若いオードリーのキュートさ!これは「ローマの休日」の翌年の作品で、彼女は25歳くらい。でももっと若く感じます。
    ララビー家で開催されるパーティを木の上から覗き見する愛らしいサブリナ。パリから帰国した日偶然デヴィッドに再会してのお茶目なサブリナ。訳あってライナスのオフィスへ出向き大きな社長椅子でくるくる回ってはしゃぐ無邪気なサブリナ。どこを見てもほんとにカワイイ〜!私のお気に入りは「We Have No Bananas Today〜♪」という変な歌を歌うサブリナ!超ラブリー


    サブリナの初恋の相手デヴィッドを演じるウィリアム・ホールデンは、当時36歳くらい。プレイボーイとしてキャッキャッするにはギリギリな感じですが、結構似合ってると思います。お金持ちならあれで充分モテるでしょうしねー。堅いライナスとの対比で軽快さとやんちゃな次男坊らしさが倍増して、若い娘が惹かれそうなカッコよさを感じました。

    その無粋でお堅い仕事人間のライナスは、ヘプバーンよりもホールデンよりもずぅ〜と年上のハンフリー・ボガート(当時55才で、ほぼ晩年)。一見老け過ぎな気もするんですが、元々候補だったケイリー・グラント(当時50才)よりは断然いいと思います。私が持つイメージが片寄ってるのか分りませんが、グラントのライナスではデヴィッドとキャラが被っちゃいそうじゃないですか?だとすると、逆のタイプの兄弟とはならず全然違って来ちゃいますもんね。


    ところでライナスの『仕事一筋でオフィスが自分の家、これは"妻"には理解できないから結婚しない』という考えは凄いなーと思います。相手を思いやってのことですから、素晴らしいですよね。たとえ自分が家庭を優先できないと予想できても、もしくは自分のこだわりを捨てることになっても結婚を選んだりする場合も多そうだもんね。

    サブリナのパパも何気に好きです。古いタイプの父親で「月に手を伸ばすのはやめなさい」とサブリナを心配するんですが、主人に仕える仕事柄か口調はいつも穏やかで、ほどよい品と威厳を持つ尊敬すべきパパ像なんですよね。あのララビー家の父親(主人)も、敬意を払うべき男だと言ってました。そんなことを言うララビー・パパも結構いい人だなーと思いました。

    この話は、サブリナ中心で回ってるんでサブリナに感情移入して一喜一憂する感じになるんですが、何も知らずに楽しそうにしてるデヴィッドの婚約者がちょっと可哀想に見える部分もありました。結局のところプレイボーイはあかんね・・なんて思ったりして。
    サブリナを応援するララビー家の使用人たちと、パリでサブリナに「馬の真似をするのはやめなさい」と助言するバロンがキュートで好きです^^
    ところで、大金持ちは天気を操作できるんですか??wilderaudrey







    【いつも2人で】(1967年)

    夫婦には色々あるんでしょう。
    ◆いつも2人で(Two For The Road)1967年
    監督:スタンリー・ドーネン
    結婚12年、倦怠期を迎えた夫婦マーク(アルバート・フィニー)とジョアンナ(オードリー・ヘプバーン)。マークの出張に付き合って2人でフランスへ旅行に出る。お互いに相手に対するイライラを隠せない状態での旅だが、2人の様々な過去の瞬間を呼び起こす想い出の地を通っての道中・・・

    出会った頃、新婚の頃、子供を連れて、そして現在2人で・・車で旅に出た想い出が次々に交差する、ちょっとややこしい感じの作品。でも、時期(エピソード)がとてもスムーズに入れ替わる演出が気に入ってます。


    例えば、出会った頃の2人がヒッチハイクが上手くいかず「なぜ止ってくれないんだ。自分なら止まってやるのに。」と文句を言っている横を、現在の2人が乗る車が通り過ぎそのまま現在の2人の車内へ話が移る、といった感じ。
    全部がそんな風に、ロードムービーらしく(?)車から車へ話が移り変わって行くんですよね。
    (上記は「車から」じゃないですが・・・^^;)
    それも現在、過去、更に過去、現在、過去、もっと過去、過去、現在・・・みたいに入り組んだ形で。時系列順だとハッピーでコミカルな雰囲気からだんだん重くなってしまうところだけど、お陰でだれることなく楽しめるんです。


    夫役はアルバート・フィニー。私がアルバート・フィニーを見た順番は「エリン・ブロコビッチ」→「オリエント急行殺人事件」→「いつも2人で」だったんですよ。なので本作での彼はやけにハンサムに見えちゃったんだよねー。
    でも慣れてみるとそれほどでもないよね・・・
    役としては、不機嫌な夫、楽しげに笑う夫と色々あったけど、不機嫌な時がすごく怖いので笑顔が妙に嘘臭く見えた・・というか、本心かどうかが心配になっちゃたりしながら観てたんですよね。きっとそれじゃ良くないでしょ。ちょっと残念な部分でした。

    オードリーは、当時38歳くらい?はっきり言ってだいぶ老けてますが、二人の出会い場面では20歳そこそこのお嬢さんをやってらっしゃって、それについては流石に無理があったみたい。でもそのお陰でその時期だけは、パッと見て"その時期"だということがはっきり判ります^^
    その他は、新婚〜友人夫婦との旅行〜妊娠した頃など、ちょっと見ただけではいつなのかを瞬時に判断するのがちょっと難しい所もあるんだけど、一応髪型が違う、服装が違う、車が違う、と慣れれば見分けられるようにはなりました。多分一度目の鑑賞時にはちゃんと判ってなかっただろうな、とは思うけど・・・。
    とりあえず髪型、ファッション共に、「現在」のオードリーが一番ステキ。


    なんか文句ばっか言ってるようだけど、実はこの作品はかなり好きな方なんですよ。甘いロマンティックばかりの非現実的なお伽話じゃなく、リアルな夫婦愛の軌跡。なにかしら現実の結婚生活と重ねてしまう部分があるのかもしれないですね。「現在」でこそ倦怠期で不機嫌な夫婦だけど、かつてはこんなにステキなカップルだったって振り返るのも悪くないんじゃないかな。それによって、なんで今こうなっちゃったんだろうと改めて考えてみる・・・何か変わるかも。私もいつか迎えるかもしれない倦怠期のために、この映画を観ていれば上手く乗り切れるかしら、なんて思ってますが・・。

    「レストランで座ってじっと黙ってるあの二人ってどんな関係?」「夫婦でしょ」
    ・・・う〜ん!そうはなりたくないねぇ〜!!audrey










    【昼下りの情事】(1957年)

    必死に背伸びして見せるアリアーヌが愛おしい♪

    ◆昼下りの情事(Love In The Afternoon)1957年
    監督、脚本:ビリー・ワイルダー
    私立探偵の娘アリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)は父の調査書を盗み見て、フランク・フラナガン(ゲイリー・クーパー)というハンサムなアメリカ人富豪で世界的なプレイボーイに憧れを抱いていた。ある時、父(モーリス・シュヴァリエ)の調査で妻がフラナガンと不倫をしていると確信した男が、拳銃を片手にホテルへ乗り込むことを知ったアリアーヌは、フラナガンを助けるために自分の素性を隠して彼の部屋へ先回りすることに。それをきっかけにフラナガンに恋をしてしまい・・・。

    パリを舞台としたヘプバーン主演のラブコメです♪恋の種類の紹介する冒頭のナレーションと映像から大好きです。楽しい恋愛コメディの始まりとしてワクワクさせてくれるの。

    そして、音楽学校の10代の学生を演じているヘプバーンは、この時なんと28歳だそうです。だいたいいつも実年齢より若い役をやってるようですが、これは特に凄い気がする。私には若い学生にしか見えないですよ。しかもこのいかにもウブで恋愛経験なんか無いって感じの可愛らしいアリアーヌが、フラナガンの気を引くために彼氏が何人もいるプレイガールのフリをするわけですよ。しかもパパの事件簿で読んだ内容を参考にした多彩な恋愛遍歴!めちゃくちゃ過ぎて笑えます♪


    相手役のゲイリー・クーパーは彼女の父親くらいの年齢なんで、最初はえーっ??って思ったんだけど、多分あの大人の渋いムード+お調子者のプレイボーイってところに惹かれるんでしょうね。この役にはケイリー・グラントも候補になってたそうだけど、渋さで言ったら断然クーパーなんだろうね。どちらもあんまりよく知らないけど^^;最終的には私はクーパーさんで満足です。

    パパ役のモーリス・シュヴァリエも大好きでした。いつも優しくて、思いやりがあって、ちょっぴり厳しくて、愛に溢れてて、ウィットに富んでいて・・・理想のパパですよぉ。この俳優さんは私はこれでしか見たことがないんですが、ちょっと調べたらなんだか可愛いビデオを見つけました。→YouTube
    この映画の時よりも何十年も前って感じですけどね^^

    フラナガンの部屋だけかと思いきや、その他行き先にもついてくるジプシー楽団も笑える♪サウナとか良かった^^
    それと、彼女が大人の男性に夢中になっているとは知らず、アリアーヌに真剣に恋をしちゃってる同級生の真面目な青年ミシェルもコミカルでいいキャラクターです♪(コミカルなんて言ったら悪いくらい真剣でかわいそう・・)

    しかしビリー・ワイルダー、面白いですねー。巧みで小洒落たユーモアに溢れてて。グレタ・ガルボの「ニノチカ」にハマって、調べてみたら大好きな「麗しのサブリナ」や「七年目の浮気」もワイルダーなんだと判って、これはもっと観たい!と。で、少し凝ってみましたが、結局8作観て止まってますが・・・。これからももっと観たいですね。
    とにかく私はこのロマンティックでキュートな映画が大好きです!wilderaudrey












    【おしゃれ泥棒】(1966年)

    私、ヘプバーン出演作の中では間違いなくこれが一番好き!

    おしゃれ泥棒(How To Steal A Million)1966年
    監督:ウィリアム・ワイラー
    贋作画家シャルル・ボネ(ヒュー・グリフィス)の留守中の屋敷へ、贋作をあばく私立探偵サイモン・デルモット(ピーター・オトゥール)が忍び込んだ。ところが在宅中だった娘のニコル(オードリー・ヘプバーン)に見つかってしまう。ニコルはサイモンを泥棒だと信じ込み、美術館へ貸し出したために、科学的な鑑定をされる危機にさらされている贋作のヴィーナス像を盗み出すよう依頼。2人で無事に美術館へ忍び込み・・・。
    クライム・サスペンスやミステリなどではなく、完全にロマコメです♪
    もちろんジバンシーに身を包み、目をくっきりと強調したメイクのヘプバーンがスタイリッシュで本当にステキ!・・・なんですが、私的にはこの映画ではそれよりもピーター・オトゥールですよ。

    ハンサムで軽い系なんだけど、実はインテリっていうキャラに一発でメロメロ!実は、一見特にイケメンという印象は持てないんだけど、あの飄々とした態度や表情、セリフにやられちゃうのよ。まいった!
    ヘプバーン演じるニコルが、ちょっと世間知らずなお嬢さんっぽいキャラで、そんな彼女を大らかに包み込んでくれるようなサイモン。いつしかマジで私の理想の男性像になっちゃってたもんです。


    他にもニコルの父親、美術館の警備員たち、像を欲しがる大富豪をはじめ、保険屋さんや、しつこいコレクターなどちょっとしか出ない人まで面白キャラが続々登場するなど、全体を通して楽しいコメディなんですよ。美術館の警報機の音がちょっとうるさ過ぎる所だけが難点かな・・

    ところで、この映画を観る度に気になってしまう箇所があるんですが・・・。

    サイモンが家に忍び込んだ翌朝、ニコルが父親に泥棒に入られたという報告をする場面。グラスでお酒を飲んでいた父が、話に驚いて口に入っていた酒をグラスへ吐き出します。話をしながら動きの流れで、そのグラスをニコルへ手渡してしまう。で、話しながらニコルがグラスを口へ持って行こうとするのを、父が腕を引っぱるなどしてなんとか阻止しますが、ちょっと離れた隙にニコルはやはりそのグラスから一口飲んでしまうんですよ。飲んだ直後、ヘプバーンは「何か入ってる?」という感じでグラスを覗いてますが、これって『台本通り』ではないですよね?いつも気になるんだけど、みんな気付いてることなんですかね?つか、どうでもいい?

    で、この映画「おしゃれ泥棒」。おしゃれなのかどうかが気になってらっしゃる方も居るかもしれないので、言っておきます。内容も雰囲気も、とっても洒落てますよ♪^^
    とにかく私はこのステキな映画が大好きです!audrey













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