表紙をよく見てください!マット・ボマーがいますよ!!
ということで、ジャケ買い(?)した2001年発売の小説を読みました。
中を見ると分かるんですが、表紙の3人が登場人物のイメージになっているんですよ。マットのイメージで読めるって贅沢ですよねー♪
3人のゲイの高校生の物語です。各章ごとに代わる代わる3人のいずれかの目線で語られる形式で、それぞれで何が起き、何を考えているかが分かりやすかったです。
その3人はこんな感じ。
・完全にゲイであることを公表済みのネルソン。エキセントリックな髪型にも挑戦しリングのピアスをたくさん付けていたりとオシャレ好きで、サーカスティックな発言も多めな生意気なタイプ。
・ベースボールキャップがトレードマークで数学が得意のカイルは、ネルソンの親友。学校ではゲイだと知られているが、男らしいアスリート至上主義の父の居る家では隠している。基本的には穏やかで優しい少年。
・イケメンで人気者のバスケットボール選手ジェイソンは彼女持ち。彼女とはセックスもする仲だけど、実は男子が気になり、ゲイの若者専門のホットラインで勧められた会合に出てみる。そこで同じ学校の同級生ネルソンとカイルに遭遇して動揺。
ジェイソンのイメージがマットです。そりゃぁイケメン役でしょう!ネルソンが「I'm sick of everyone saying how cute Jason is.」なんて言ってる場面もありました^^
ゲイであることを公表しているマット・ボマーの大ファンになって以来、彼の発言や彼が参加する活動などを通して、これまで自分には関係のないこととして全く興味も無かった同性愛というものに、私は少しずつ関心が向いています。
でも専門的な文献などを読んだり関係する活動に積極的に関わったりするようなことは今のところないため、上辺の知識程度しか入らないんですよね。
この本を読んで、同性愛者の方たちがどんなことを悩んできて、どんなことと戦っているのかなど、 "なんとなく解ってる/想像できてるつもり" だったことを、グッと身近に感じることができました。
この小説では高校生たちが主人公なため、普段(私にとってはマットの発言によって)耳にすることの多い、結婚や職場などでのゲイの権利といったオトナの世界の話以前の、心の内の動きに触れることができるのは大きいですよね。
特に冒頭からジェイソンがぶち当たる、自身の性指向への戸惑いの部分が興味深かったです。疑問を持ち始めてから、どんな風に自分自身を受け入れていくのか。葛藤があったり、自分の気持ちに従ってみたり、後悔したり。物語として着地点は予想できますが、こういう気持ちに寄り添えたのは貴重な感じがしました。
その他、学校という社会の中での位置とか家庭内の各々の事情とか、17歳の未熟さが招く問題も含め、青春時代のほろ苦さも味わいました。が個人的には、3人それぞれの
手を握るだけで舞い上がっちゃうくらいの初々しく可愛らしい恋愛関連を主に楽しみました。(いつも通り 笑)大人である私も親目線などではなく、彼らに感情移入して彼らと共にドキドキしたり凹んだりしながら、すっかりのめり込んじゃいましたね。
その流れで、彼らのゲイとしての戸惑いや迷い、悩み、生き方に(同性愛者でない私がそう言っていいのか分かりませんが)共感のようなものを感じていくんですよ。こんな締めくくりでは味気ないとは思いますが、とても勉強になりました。
ティーンだけでなく、大人にもオススメしたい小説ですよ。同性婚に反対してらっしゃる方などに読んでみて欲しい気がしますね。
トリロジーなので、残りの2冊もすぐお取り寄せ発注しちゃいました。登場人物は同じはずですが、表紙からはマットは消えているようです・・・。