スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
- 2023.12.07 Thursday
- -
- -
- -
- -
- -
- by スポンサードリンク
少年犯罪関連の映画。気が重くなりそうだなーと思いながらもシネフィルイマジカで録画してみました。本当に気軽さなんか無い映画です。 ◆BOY A(Boy A)2007年 監督:ジョン・クローリー、原作:ジョナサン・トリゲル
少年時代に重罪を犯して刑に服し罪を償って更生した青年が、社会に復帰してまともに暮らして行けるだろうか?という話です。 これは少年犯罪に限らず、"元犯罪者"は全て同じだと思います。こりゃ〜難しいですよ。(この映画が難解というわけではありません) 話は、10歳から服役していた少年が24歳となりすっかり更生し、期待に胸を膨らませながら出所するというところから始まります。青春時代を塀の中で健全に送ってきた分、他の同世代よりもまともなのではないかという感じの、シャイな好青年といった状態。そんな彼が温かいオヤジ(ソーシャルワーカー)のサポートを得て、かつて罪を犯した少年とは全くの別人として知らない街で新しい生活を始めるわけです。 環境的にはとても恵まれ、新生活としては上手く行きそうに見えるものの、彼の中にある葛藤が生まれてきます。そこでの仲間に受け入れられ信頼されるほど、隠し事をしている自分がイヤになってくるわけです。打ち明けたいがそれはできない、してはいけない・・。 という、主に元犯罪者の彼が中心で彼目線の物語です。彼の罪についてやその被害者についての話はあまり描かれていません。あくまで元犯罪者の彼の出所後の生活を追っています。 主演のアンドリュー・ガーフィールドの演技がとにかく素晴らしかったです^^ 【注意!】以下、ネタバレを少し含んでいます。 社会復帰してくる元犯罪者は、きちんと罪を償い更生したと認められたからこそ戻って来ているわけで、罪を償っても許されないのなら更生させる必要も無いってことになってくる気もします。もちろん再犯を繰り返す人も居るわけですから一概には言えませんが、償ったのだから許されるべきじゃないか?と、これを観ていると思わされてしまいます。但しこの主人公ほどの更生振りが見られるのなら、という条件も同時に浮かびますが。 元々自分がそういう考えだったのかどうかは、正直よくわかりません。 でもこれは、かつて世間から悪魔と呼ばれる犯罪者だった青年が出所後におかれる状況に、同情したくなってしまう映画なんですよね。 だけどもし実際に自分の身近に重犯罪を犯した人が居ると判ってしまったら、その人とそれまでと同じように付き合えるか・・。どうしてもまず「怖い」「他所へ行ってほしい」と思ってしまいますね。 元犯罪者だと知らなければ、なんてことない普通の人、もしかしたら他の人より良い人に見えることもあるかもしれない。でも元犯罪者だと判った瞬間に、それまで彼と過ごした楽しかった時間、親切にして貰った恩なんかも一切消え失せちゃうんですよ。当然その気持ちは解るし、自分もそうなるかもとは思いますが・・う〜ん・・。 事件に直接関係無い一般市民までもが許す気持ちにならないというのも、よく考えると無理ないかもとは思うんですよ。だって事件を知って犯人が捕まって実刑判決が出て、それから何年経ってようと次のニュースは出所ですもんね。こちらからすれば服役してた時間はワープしてますから。無いも同然ですもん。(許せない理由はそこじゃないけどさ) 話題になった事件は実際にも『あの少年が出所したぞ!』とニュースに出てましたよね。これ、必要なことなんでしょうかね?知りたいものですか。もちろん知らないうちに紛れ込まれていて、言ってみれば"騙されて"付き合うことになるかもしれないというのは、気分悪いですよ。でも、誰にも気付かれなければ誰も嫌な気分になることなく暮らせますよね。もちろん、この主人公ジャックのように本人は内心自責の念に苦しむかもしれませんが、それはその人の問題だし、そうあるべきでもあるかもしれないし。でも完全に隠されていれば、少なくとも社会に戻って(周囲共お互いに)平和に生活はできるじゃないですか。もちろんその元犯罪者が完全に更生できていれば、の話ですよ。まぁ被害者のこともありますから、そう簡単な問題じゃないですけどね・・。 とりあえずマスコミのあんな、捕まってない犯人の指名手配バリに写真を作ったり、懸賞金かけて探し出せ!みたいなことは明らかにマズイでしょう。ま、そこまでは実際には無いでしょうけど。でも現代にはインターネットがありますからね。誰にも知られることなく生きることは、やはり無理なんじゃないでしょうか。 そこでこの作者はもしかしたら、重犯罪を犯した人間は罪を償って社会復帰しても本当の復帰なんかできやしない(=意味ない)から、ハナから全員死刑にしてしまえば?と提案してるのかも・・なんて解釈したら怒られそうですね^^;正しくは"許す心を持ちましょうよ"ってところでしょうか。 しかしこういうのってどの立場に立ってみても、自分中心で考えれば結局矛盾が生じてしまいますね。被害者が自分の家族だったら?犯人が自分の家族だったら?自分が事件には関係なくても身近になってしまったら?など、どの視点で考えるかで、どうしても意見が変わってしまう。この問題は難し過ぎてさっぱり気持ちがまとまりません。 |
恥ずかしい話、この映画のことは既にぼんやりとした輪郭しか思い出せなくなっていまして...。
ぐだぐだと色々考えた末に「正解なんか分からないなぁ」で完結した覚えがありますが、「なかった事に」という点は私の意識には無かったようです。はじめから彼がしっかり償ったものと信じ切って観ていたんだと思います。
「僕は誓ってあの少年じゃない」などの言葉については、確かに卑怯で反省の色が無いと取られてしまう場面かと思います。でも彼自身もこれからの生活があるのだし、ということで納得して流したのかな?と、観た当時の自分を想像していますが、なにせ細部がさっぱり思い出せないもので...。やはり、じっくり話し合える状態ではないです。ごめんなさい。
今度機会があったら、spiderManさまのご指摘の点を念頭に置いて、主人公に肩入れし過ぎないで観なおしてみたいと思いました。更に考えを巡らせて悩むことができそうです。(心にスタミナがある時でないと難しいかもしれませんけども。)
ざっくりしたお返事で申し訳ありません。
大事な点を教えてくださいまして、本当にありがとうございました!